第7回 周知商品等表示の混同惹起行為とその規制
2024/12/10
第7回 あなたのブランドを守る!「名前もデザインもマネしないで!」
1. なぜ、あなたの商品やサービスの名前やロゴが大切なの?
皆さんは、ご自身の商品やサービスの名前やロゴにどんな思いを込めていますか?それは、お客様に「あなたの会社」という物語を伝えるための大切なツールです。例えば、「〇〇屋」という店名には、長年の歴史と信頼が感じられますし、「シンプルで覚えやすいロゴ」には、親しみやすさや安心感が込められています。
この名前やロゴは、お客様があなたの商品やサービスを選ぶ際に、重要な判断材料となります。しかし、残念ながら、他人があなたの名前やロゴを勝手に使って、お客様を混乱させたり、あなたの会社の評判を傷つけたりすることがあります。このような行為を法律では、「周知商品等表示の混同惹起行為」と呼び、厳しく禁止しています。
2. なぜ、まねをしてはいけないの?
「名前やロゴなんて、少し似ていてもいいじゃないか」と思うかもしれません。しかし、これは非常に危険な考えです。
- お客様の混乱: 似た名前やロゴがあると、お客様はどちらが本物か分からなくなり、購入をためらったり、別の商品を選んでしまったりする可能性があります。
- 会社の評判低下: 模倣品が出回ると、あなたの会社の商品やサービスの品質に対する信頼が損なわれ、ブランドイメージが低下する恐れがあります。
- 売上減少: 模倣品は、通常、正規品よりも安価に販売されるため、あなたの会社の売上が減少する可能性があります。
3. 中小企業が陥りやすい落とし穴
中小企業は、大企業に比べて資金や人材が限られているため、模倣品対策が後回しになりがちです。しかし、中小企業だからこそ、ブランドを守る必要があります。
- 「うちなんて誰もマネしないだろう」という安易な考え: 中小企業でも、独自の技術やアイデアをもっていれば、模倣される可能性は十分にあります。
- 法律の知識不足: 不正競争防止法について詳しく知らないため、適切な対策が取れないことがあります。
- コストの負担: 法律相談や商標登録など、ブランド保護には費用がかかるため、躊躇してしまうことがあります。
4. どうすれば、あなたのブランドを守れるの?
では、中小企業はどうすれば、自社のブランドを守ることができるのでしょうか。
- 商標登録: 自分の商品名やロゴを商標登録することで、法的保護を受けることができます。
- 定期的な監視: インターネットや市場で、自社の商品名やロゴが不正に使用されていないか、定期的に監視しましょう。
- 迅速な対応: 不正使用を発見したら、すぐに弁護士に相談し、法的措置を検討しましょう。
- 周りの人に相談する: 商工会議所や専門家などに相談し、自分に合った対策を見つけましょう。
5. 事例:中小企業が抱える悩み
A社は、独自の製法で作った「手作りジャム」が人気を集めていました。しかし、ある日、近所のスーパーで、A社のジャムとそっくりなパッケージのジャムを見かけました。A社は、自分の商品が模倣されていることにショックを受け、どうすればいいのか分からず悩んでいました。
6. 事例:中小企業の成功事例
B社は、地域で人気のパン屋さんです。B社のロゴは、可愛らしい手書き風の文字で、地元の人々に親しまれていました。しかし、ある日、別のパン屋さんが、B社のロゴと似たようなロゴを使用していることに気づきました。B社は、すぐに弁護士に相談し、不正競争防止法に基づいて、ロゴの使用差し止めを求める訴訟を起こしました。その結果、B社は勝訴し、自社のブランドを守ることができました。
7. まとめ
中小企業であっても、ブランドを守ることは可能です。大切なのは、自社の商品やサービスに対する愛情と、不正行為に対する毅然とした態度です。弁護士や専門家に相談しながら、自分に合った対策を講じ、あなたのブランドを末永く守りましょう。
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