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意匠第14回:意匠権の維持と更新管理

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意匠第14回:意匠権の維持と更新管理

意匠第14回:意匠権の維持と更新管理

2025/03/03

意匠第14回:意匠権の維持と更新管理

意匠権を取得することは、中小企業にとって製品デザインを守り、競争力を高める大きな一歩です。しかし、意匠権は取得しただけでは十分ではありません。適切に維持・管理し、有効期限を切らさないようにすることが重要です。今回は、意匠権の有効期間や更新手続き、維持管理のポイントについて詳しく解説します。


1. 意匠権の有効期間と更新手続き

意匠権は永続的に保護されるわけではなく、一定の有効期間が設けられています。以下はその概要と更新方法についてです。

① 意匠権の有効期間

日本における意匠権の有効期間は、出願日から25年間です。この期間中、意匠権者はデザインに関する排他的権利を持ち、他者による模倣や不正使用を防ぐことができます。

② 更新手続き

意匠権の更新という概念はありませんが、有効期間を維持するためには毎年の「登録料」の納付が必要です。この登録料を滞納すると、意匠権が失効してしまいます。

  • 登録料の支払い方法
    登録料は、年ごとに支払う方法と、数年分をまとめて前払いする方法があります。特に長期的な計画を立てやすい中小企業の場合、前払いを選択することで手間を軽減できます。
  • 納付期限
    毎年、登録日から満了日までの間に登録料を支払う必要があります。期限を過ぎると意匠権が消滅してしまうため、注意が必要です。

2. 権利を維持するためのコストと管理のポイント

意匠権を維持するには、コストや手間がかかります。そのため、適切な管理が必要です。

① 維持にかかるコスト

  • 登録料
    登録料は、意匠ごとに異なりますが、意匠権を25年間維持する場合、トータルの費用はそれなりの負担となります。企業の予算に応じた計画が求められます。
  • 更新管理のリソース
    管理コストには、意匠権の管理業務を社内で行う場合の人件費や、専門家(弁理士)に依頼する際の報酬も含まれます。

② 管理のポイント

  1. 意匠権のスケジュール管理 意匠権は取得数が増えると管理が煩雑になります。管理スケジュールをデジタルツールや管理シートで明確化し、更新期限を見逃さない仕組みを作りましょう。
  2. 費用対効果の見極め すべての意匠権を維持するのではなく、市場価値や製品戦略に基づいて必要な意匠権を選別することが大切です。たとえば、すでに市場から撤退した製品の意匠権は更新を見送る判断もあります。
  3. 弁理士や専門家との連携 意匠権の維持管理に不安がある場合は、弁理士に依頼するのがおすすめです。特に複数の意匠権を保有している場合、プロに任せることで更新漏れを防ぎつつ、負担を軽減できます。
  4. 海外意匠権の管理 海外展開をしている場合、各国の意匠登録や更新管理も重要です。各国のルールや有効期間が異なるため、現地の専門家や国際的な知財管理サービスを活用すると良いでしょう。

3. 意匠権維持の重要性とそのメリット

意匠権をしっかりと維持することで、以下のようなメリットがあります。

  • 競争優位性の保持
    他社に模倣されるリスクを排除し、自社製品の独自性を守ることができます。
  • ライセンスや提携での活用
    維持された意匠権は、他社とのライセンス契約や共同開発の交渉材料として使える資産になります。
  • 長期的なブランド価値の向上
    デザインを継続的に保護することで、ブランドの信頼性や価値が高まります。

まとめ:意匠権は取得後の管理が鍵

意匠権は取得後の管理と維持が重要です。適切な手続きと管理を行うことで、権利の消滅を防ぎ、企業の競争力を長期間にわたって保つことができます。特に中小企業においては、限られたリソースを最大限に活用するために、計画的な管理が求められます。

 

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